Hôtel Martel (Galerie 54)

16区のマレ・ステヴァンス通り10番地にあるMartel邸の内部を、期間限定で特別に見学できると友人に教えてもらう。

公開最終日の昼過ぎにギリギリ駆け込んだ。先客がいたので、外観の撮影をしつつしばらく待った。

デザイン家具のギャラリーなので、名作の椅子や彫刻がところ狭しと配置されている。

これはおそらく上階の居住空間への扉。

この前の5月にコルビュジエ建築めぐりをしたばかりでもあり、サーモンピンクの壁の色、黒い細い鉄棒、タイルづかい、半地下とロフトを巧みに使った空間構成、ドアノブなどの部品のディティールに、共通点が見つかっておもしろい。

彫刻家のアトリエ兼住居として作られただけあって、天井が高くて気持ちいい。ただ、そのせいで暖房が効きにくいという欠点があり、壁沿いのヒーターがまるで絵画作品のように目の高さに設置されている、という説明を受ける。

キッチンに改装されている空間は、元はなんだったと言っていたか… 彫刻作業時の水場だったかな。興奮しすぎて忘れてしまった。天井のドット状に散りばめられたガラスから自然光が入る。

とにかく窓からの光が気持ちいい。床面から壁面につながるタイルの曲面(Mallet-Stevensの好んだ仕様)、円筒形の柱、天井の梁のリズム感、いろいろと完璧すぎて興奮した。こんなところに住みたいな。