パリ5区(Pl. Monge)のブロカント | 2019/02

1ヶ月半ぶりの5区のブロカント。

あまり見かけたことのないスタンドの衣類のラックに、なんだか素敵な羽織りものがある。

ノルマンディー地方(Sartheに接するあたりだとか言っていたような… 記憶があいまい)の伯爵夫人の邸宅から出たという、Robe de chambreである(部屋着)。

19世紀後半の品で、元は白いコットンだったと思われるのが、青みがかった品の良いグレーに後染めされている。

買った時には気づかなかったのだが、前身頃の左裾に、王冠と英文字3つの刺繍が。なるほど、いかにも伯爵家の持ち物らしいディティールだ。

このスタンドにはエプロンもたくさんあった。

選んだのは、刺し子のようにも見える無数の補修跡が面白い1枚。19世紀の品物(同じ伯爵家の使用人の仕事着)で、ブルーに後染めされている。


少し離れたところにあった、納屋のガラクタを出してきて売っている風のスタンドでは、かわいい絵のついたグラスを見つけた。

ビールのメーカーKronenbourgのロゴ入り。1950年代の、販促用オマケか何かだと思う。

それぞれのグラスに、ある国を象徴する人物の絵と、その国の言語での「ビール」の文字(と、その発音記号)が描かれている。

例えばイギリスのグラスには、

「イギリスではBièreのことをBeerと言う。フランスでは(ビールのことは)はっきりとKronenbourgと言う」

と。他の国バージョンでも言っていることは全部同じ。フランスではビール=Kronenbourgだよ、と言っている。

左から順にイギリス、ロシア、スウェーデン。

ロシアのキャラクターが特にかわいい。


軍物スタンドのGのところでは、アシスタントのHからチュロスを1本ご馳走になる。寒かったし小腹も空いていたのでありがたい。

ここで買ったのは、1980年代から1990年代にかけて採用されていたフランス軍のジャケット用ライナー。ボアの面を表にして羽織るとかわいい。

ボア生地って毛が長くて織りが粗いととたんに清潔感がなくなるのだが、これは程よい密度で品が良い。何より、軽いのが最高。