3区で会えなかった紙ものディーラーDに会いに、11区のオベルカンフ駅近くのブロカントへ。ここに来るのは半年ぶりだ。
エールフランスの世界地図を目当てに行ったのだが、予想どおり高価で、予算を大幅にオーバーする品物だった。2枚の美しい印刷を舐めるようにながめて、記憶にとどめる。
京都で買った浮世絵のレプリカを日本旅行のお土産にと渡したら、Dがコーヒーをごちそうしてくれた。とても喜んでいたので、こちらもうれしい。
この日の収穫は、
マスタードと化粧品のパッケージの版下刷り。マスタードは、有名なFélix Potinのもの。
香草風味とプレーン味の2種類のパッケージデザインが、左右に並んでいる。
化粧品の方は、Cosmydorというパリのメーカーのライスパウダー。
1877年創業で、なんと、2018年の現在も存続している。
円筒形の紙ボックスの側面と蓋面のデザインが、上下に並んでいる…ということは、おそらく、これらは色校正用の試し刷りでは。
プロトタイプとか試し刷りとか生地のミミとか、そういうのが大好きなのだ、私は。
この、色別の版の名前にキュンときて買った。
色名は、版に色を乗せる職人がひと目で分かるように正版(刷ると逆版。どうせ切り落とす余白部分なので)。当たり前なのだけれど、印刷現場の工程が見えるようで、楽しいディティールなのだ。
もちろんオフセット印刷ではなく、リトグラフィーの多色刷り。
意匠の雰囲気から、1930年代あたりかなと想像している。