最近になって、ブロカントに本気ではまりはじめた(今さらと言うか、とうとう!と言うか)。
パリに住み始めた当初は、クリニャンクールやヴァンヴの蚤の市にいそいそと出かけていたものの、早起きがつらくなっていつの間にかフェードアウト。
以後、早起きしなくてもいい街のブロカント(古物市)を、偶然見かけたら冷やかす程度に。
その私がこの夏から、ブロカント情報のサイトを事前にチェックし、早起きしてほぼ毎週末ブロカントに通う生活をしている。
折しもフランスは夏休みの真っ最中、パリとパリ近郊のブロカントがめっきり減っているのにもかかわらず、毎回どこかしらのブロカントを見つけ出して通っている。
さすがに先週末の8月15日(日曜日で祝日)には、どこもかしこもブロカントさえも休みだろう、と思いつつ探したら… あった。その中から選んだのが、Chauffryという町のブロカント。理由は「電車で行けそうだから」。
車を持っていないので、電車やバスでもたどり着けることが条件の「ブロカント巡礼」なのだ。
まだ見ぬ町Chauffryがあるのは、パリの南東方向に隣接するVal-de-Marne県の、そのまた向こうに広がるSeine-et-Marne県。電車の区切りで言うとゾーン6、最果てのエリア。パリからは、東駅始発のSNCFのP線に乗って行けるはず。
高速郊外鉄道RERのE線で終点Tournanまで30分。そこでP線に乗り換えてCoulommiers駅まで約30分。最後に、SNCFバスに乗って10分という経路で行くことに。
天気予報では終日雨天というので直前に一瞬迷ったものの、決行。
見知らぬ町に傘をさして出発。
初めて乗ったP線の車内の様子。
新しい車両なのになんだか懐かしい色づかいで、しかも清潔で快適だった。
窓の外に広がる、のどかな田舎の景色。麦畑やトウモロコシ畑が延々と続き、馬や牛たちが草を食み、遠出の気分を盛り上げてくれる。相変わらず雨は降っているけれど。
P線に続いて乗ったSNCFのバスには、地元の人しか乗っていない様子。
パリ郊外からわざわざ1時間半もかけてやってきたようなのは、私たちだけだ。
さて、お目当てのChauffryに到着。
念のためにGoogle Mapをプリントしてきたものの、必要なかったかも。町の中心に続く道は1本しかないので、まちがいようがない!
市役所前広場に続く1本道の両端に、ぽつりぽつりとスタンドが現れる。
出店者の予定数は50から100(主催者情報)だったのが、当然この雨で激減し、20スタンドいたかどうかという感じに。
ブロカントにつきものの屋台も、雨なので屋根の下に。
燃え盛るバーベキューinバス停(私の乗った中距離バスではなくて、市バスの方)。ここで焼いたソーセージを、向かって左のスペースでサンドイッチにしてくれるようだ。雨の降る中、ソーセージの焼ける香ばしいにおいを嗅ぐというのは、なかなかシュール。
あまりの規模の小ささに、45分くらいですべてを見つくしてしまったものの、復路のバスはなんと100分後。
どこかで休憩したいと思っても、1軒のカフェすらもない。
バス停のベンチにじっと座っていても寒いだけなので、雨足がより強まる中、Chauffryの町を散歩することに(この途中でいい品物を見つけたので、散歩は大正解)。
大きな庭のある家々が静かに点々と並び、古い農家の建築がそのまま残っていたり、庭にトラクターが停めてあったり、薪置き場で猫が眠っていたり。
普段から野生の小動物に縁のある夫は、走り去る赤毛のりすを目撃。
村の端っこ近くにひっそりとあった建物。
さて、これはなんだろう。
(つづく)
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