年に2回のお楽しみ、3区の大きなブロカント。
19世紀末の紳士用リネン製パジャマの白を2着と、青色に後染めされたのを1着。
女性用ネグリジェの、青色に後染めされた1着。
知人Tのスタンドで、ブルガリア軍の料理人用チュニックのデッドストックを1着。
そしてなんと、また見つけてしまった、自立ハンガー什器。
なぜか同じブロカントで、毎年これを見つけている…
木に真鍮に朱色のペイント、肩部分の曲線、台座の正方形の重なり。
全てが好みで、ひと目ぼれである。
値段をたずねて返事を聞いて、5秒で支払っていた。
しかも高さ調節可能。こんな素敵なヴァレ(正確には個人宅用のヴァレではなく、店舗用什器なのだが)は、まず見つからない!
デザインの様子から、おそらく1920~30年代のものだと見当をつけている。
この時点で両手に荷物が満載、素手でヴァレを握っているので、外にいるのが辛くなってきた。
知人Lに挨拶だけして、いったん家に戻ることにする。
自宅のドアを開けて荷物を玄関に置き、またすぐに出かける。
ある商品の入荷を逃すまいと、この週、ほぼ毎日通っていた衣料品店へ。
取り置き不可能だと思って特に頼んではいなかったのに、私の希望商品をキープしてくれていた。あんまり毎朝現れるから、とうとう店中のスタッフに顔を覚えられてしまったらしい。
付属品のあつらえ注文をして支払いを済ませ、今度はブラック・フライデー目当てで別の店へ行き、その足でまた、3区のブロカントへ戻る。なんて忙しい日だ。
やっと帰宅して、埃を拭きながらヴァレを隅々まで眺めると、台座の裏に刻印がある。
Siegelだ。
あのマネキン・ボディーで超有名な、SIEGEL & STOCKMANのSiegelだ!
公式サイトにも「Siegelブランドは1920~30年代のアール・デコ時代に最盛期を迎え、パリのほぼ全ての服飾店と取引があった」とあるので、やはり私の買ったヴァレも同じ頃の品物なのだろう。