長崎の友人が、奈良まではるばる訪ねてくれるという日。
待ち合わせより早めに出発して、平城宮跡へ寄ることに。
前日に近鉄百貨店西大寺店の屋上駐車場から見えた、第一次太極殿(平城京遷都1300年記念の2010年に復元された)を間近でぜひ見学したいとの、夫の希望である。
高校時代は毎年、ここ平城宮跡で部活の新入生歓迎ピクニックなどを開催したもので、私にとってはとてもなつかしい場所。
近鉄西大寺駅で「平城宮跡へは南出口」という指示に素直に従ったら、全くたどり着ける感じがしない。あきらめて近鉄百貨店側の北出口に戻り、グーグルマップに従って歩くと、15分弱で到着。
あの駅出口案内の表示は、不親切なのではないか。
方角的に、南側の朱雀門から入場して第一次太極殿を拝む形に持っていきたい気持ちは分からなくもないけれど、徒歩での訪問を考えている人間にとっては、ちょっと意地悪だと思う。
駐車場から遠目に見て想像していたよりもカッコいい、威厳ある建物。しかも入場無料。平日朝でほとんど誰もいなかったので、こんなにスッキリした写真まで撮れた。
当時の天皇が、儀式の際に着座した高御座(たかみくら)の実物大模型。
ここで様々な儀式が行われていた。
天井近くの壁画がなんだかかわいくて良いなと思ったら、上村淳之氏の作。
東西南北の方角を司る四神「青龍」「百虎」「朱雀」「玄武」と、十二支が描かれている。
さて、無事に友人Tさんと落ち合い、東向商店街で昼食後、まずは春日大社へ。
そのあと東大寺に参詣。
道すがら、興福寺境内で国宝の五重塔を見上げつつ休憩し、奈良町方面へ向かう。これら全てが徒歩圏内にある奈良駅周辺は、濃密だなと、あらためて思う。
奈良で育つと(おそらく京都も)、その辺に寺がたくさんあって国宝がゴロゴロしているのは、ごく普通のことのような感覚になるのだ。
小高い山は、だいたいが古墳。地面を掘れば、何かしら古い物が出てきてしまうので建設工事がすぐ中止される。県外に暮らすようになって、それらが普通じゃなかったことに気づく。
眼前が海という、長崎の雲仙育ちである友人は、奈良の山並みに沈む夕日を見て、美しいと言い目を細めていた。山に沈む太陽ばかりを見て育った私は、旅先で見る海の夕焼けに感激するのだけれど、彼女にとっては逆なのだ。
そして、奈良交通バスの車体側面を見て「わ、鹿の絵が描いてあってバスまでかわいい!」と言う。あの絵には長年親しみすぎて、私には「鹿の絵」ではなくて「バス会社の絵」としか認識されていなかった…
これは先の奈良観光の2日後に、父と3人で行った、京都太秦映画村。
たぶん、私も初訪問だったんだと思う。
渡月橋とか嵐山の猿の記憶はあるのに、映画村の記憶がない。
チャンバラのショーは間近で見ると面白い。
日本を代表する映画人たちの写真や愛用品が展示された博物館(1階は美空ひばり展示室)も、見ごたえあり。