フランスでは3連休の初日の金曜日、パリ南南西に約40kmの町、Arpajonへ。
メトロ14番線のBibliothèque François Mitterrand駅からSNCFのC線に乗り、40分ほどでLa Norville-Saint-Germain-lès-Arpajon駅に到着。
カートを持って降りた人々を見て、ブロカントの存在を確信。
彼らは近道を知っているのか、線路沿いのケモノ道のような所にズンズン入って行くのだが、私は地図を頼りに(せっかくプリントしてきたし)、線路に背を向け直進。
すると、中年の男性が身ぶり手ぶりで話しかけてくる… 手話だ。
彼もブロカントに行くらしく、1本道を一緒に歩くことに。すぐ後ろには、カートを引きながら歩く男性と女性、その他には誰もいない。「村」と言うのが正しいような、のどかな風景。
25分ほど歩いて目的地に到着、ハイパーマーケットLIDLの駐車場がブロカント会場。この長い距離を、濃い霞の中、ひとりぼっちで歩くのは相当さびしかっただろうと思う。おしゃべり好きな手話おじさんがいてよかった。
さて、肝心のブロカントはというと…「これはなんかちがう」と、ひと目見て確信。
偶然会った知人にも「ここはほとんど洋服バザーで、古いものはないよ」と言われたが、早起きしてはるばる来たので、とりあえず端っこから順番に回る。
アルミ製のミルク缶。大きすぎず小さすぎず、状態もいい。
木のシャモジみたいなのはBattoir(バトワール)、これで布地をたたいて洗濯していたのだそう(ホントか?!)。
ガラスのタストヴァン(ワインの利き酒用の器)を、また見つけた。
湯治で有名なVichyの、温泉水を飲む時に使うグラス。
把手のないのものを1個、すでに持っている。麦わら製の専用ケース入り。
真鍮製のアイロン。中に石炭を入れて使ったもので、衿や袖口部分のプレスに活躍したであろう、ミニサイズ。小物入れになりそう。
こんな所で出会えるとは思わなかった、写真の現像用トレー。
9月にTriel-sur-Seineで購入したものよりも小さく(10 x 7cm)、Bain de Virageという文字入り。調色用トレーらしい。
内側には薬品の染みなのか、銀色の粒子が貫入状に見られるのも楽しい。
Le Méteore(ル・メテオール)という名の、掃除用アルコールのボトル。
不均衡きわまりない瓶底の厚みと、陶製の蓋がいい。
1964年、フランスがナチスから解放されてから20周年を祝した記念切手。
台紙の左側には、ド=ゴール将軍が国民に向けた激励の言葉(負けるな、踏ん張ろう!みたいな感じの鼓舞)、右側には切手が3枚。
横長の切手の図案をよく見ると、1914年のマルヌ会戦勝利の50周年記念切手だった(この切手シートは、50年離れた別の時代の出来事2つを、同時に祝って作られたということ)。
男性らがレトロなタクシーに乗るイラストは、タクシーを兵士輸送に使うというとっさの機転が、フランスを勝利に導いた事実を表している。
当時はまだ戦車が使われておらず、兵士の陸上移動は徒歩。迫り来るドイツ軍の侵攻を食い止めるため、パリ中のタクシーを総動員して、兵士を前線に輸送し続けたことが功を奏したのだって!
もう1枚別の記念切手は、フランスの国宝美術品がテーマ。