4年前にも訪れている、13区のブロカント。
1960年代製、ミシュラン直営整備工場のDémonte-pneu(タイヤ交換用レバー)。
「Made in France」とか「Fabriqué en France」と、しつこく繰り返されている。コピー品でも出回る心配があったのかな?
彫刻としての鑑賞に堪える、姿の良さ。
ひっくり返しても良い。
これは結婚時に作られる「Livret de Famille(家族手帳)」。
市民婚を執り行う役所(当事者2人のどちらかが、6ヶ月以上居住している市町村)が発行する、婚姻証明書である。
昔はどうだったのか知らないけれど、現在では発行役所ごとに表紙の色もデザインも全くちがっている。
パリ17区役所にて、1892年に発行とある。19世紀の家族手帳!
いい紙だな… 不正コピー防止策として、当時の最高級の紙を使ったと見え、透かしの横線が7本入っている。
夫婦の欄の後に子供の記録が続くのだが、子供4人のうち3人が、20歳そこそこで亡くなっている。
ちょうど第一次世界大戦の時期と重なり、息子のピエールさんは戦死、あと2人の娘さんは、パリとカンペールでこの世を去っている。
最も長く生き残ったのは、この家族手帳になってしまった。