パリ東郊外のJoinville-le-Pont駅の周辺では年に数回、3ヶ所でブロカントが開催される。今回訪れたのは、rue de Parisの一帯。
アルミ製のシャルロット型で、めずらしく両耳のついていないタイプを発見。
耳つきの一般的なシャルロット型は数年前に買って以来、サラダボウルとして重宝している。この日に買ったボウルも、早速サラダ用に使っている。
深さがあって底が平らで、軽い上に壊れない、優秀な食器だ。
木彫りの小熊。
あまりに可愛らしいので、全方向から賞賛しておく。
「山の木こりの父さんが、我が子のために夜な夜な彫った」のだろうか。
ところで、熊に尾っぽがないという事実を今さら知った、無教養な大人であることを告白しておく。
こんな顔でお願いされたら、なんでも叶えてあげたいもんだ。
南フランスのカルパントラ名産、ベルランゴ飴のティン缶。
商品名にEysséricとあるが、Gustave Eysséric氏は1851年からベルランゴ飴を大量生産ベースで改良、販売を始めた人物だ。
ベルランゴ飴そのものの歴史は14世紀初頭にさかのぼり、最初のアヴィニヨン法皇Clément V世の元で仕えた給仕人が、薬として創り出したのが始まりだという。
蓋の左端に「Médaille d’argent Paris 1875(パリ1875年銀賞受賞。万国博の開催年ではないので、他の見本市?)」という文字が読め、19世紀末のティン缶だ… と思いたかったが、どうやらこのデザインは1950年代頃まで使われていたもよう。造りの粗さとブリキの傷み具合から、1930年代あたりの品でしょう。
ガラス製の小さなメジャーカップ、同じデザインの物を2個。
文字とか目盛りのついた容器が好きで、どんどん集まってしょうがない。
イギリスのT.G.Green窯で作られた、Cornish Kitchen Wareシリーズのミルクピッチャー。
上品なブルーの縞模様は釉がけではなく、あらかじめ着色した陶土を、成型の際に削って出しているのだという。なるほど、それでこんなに均一な発色になるのだな。
なんとなく、桂離宮の襖の市松模様のブルーを思わせる色。
貫入の入り具合もキメ細かくて好みだ。目に見える手技を最小限に抑えた縞模様は、隙がないのに親しみやすい。
刻印は、1920年から1967年まで使用されたものらしい。
間を取って、1940年代頃の製造だということにする。
航空便と船便用、手荷物または小包に付けるタグの10枚セット。
表紙に描かれている航空機は、ロッキード社のプロペラ航空機「コンステレーションL-1649機タイプ(1943-1958年に運行)」だ。
1945年からAir Franceが国営化(戦後すぐ、数々の主要インフラが国営化した時代)、パリ=ニューヨーク間のプロペラ旅客機の運行開始が1947年である(飛行時間は直行便で14時間、経由ありで16時間に短縮された。これ以前の航空機では、給油中継も合わせて20時間以上の旅だった)。
上記の資料と、デザインに使われた書体とイラストの雰囲気から、1950年代の物と推察。
これが当時のAFプロペラ機(夫の飛行機写真コレクションから拝借)。
タグの飛行機のイラストと、同じ型なのが分かる。
6枚は切り取られ、残4枚。
Étiquettes “PACIFIC”(太平洋タグ)という商品名がまた、いい。
欧州人にとっては、大西洋の方がよっぽど身近な存在だからね、今でも。