大晦日の食事 | 2014

大晦日に食べた物の記録。

クラテッロ・ディ・ジベッロ (Culatello di Zibello)は、イタリアのパルマ県シベッロ村で作られる豚の尻部肉の生ハム。

クリスマス前に日本の某テレビ番組で放送されたらしいことをTwitterで知り、その後ネットで詳しく調べるにつけ、味わってみたい熱がどんどん上がっていった。

大晦日にLa Grande Epicerie de Paris(デパートLe Bon Marchéの食品館)で買い物の際、もしやと思って量り売りハム売場をのぞいてみたら、あった!
ウキウキしながら6枚切って売ってもらった。1枚から堂々と買える、量り売りのシステムが好きだ。

同じ最高級生ハムでも、イベリコのベジョータとはまたちがう種類のおいしさ。

まずは香りが、北の方の湿った川沿いの気候そのまま。湿った森の中で深呼吸すると、オガクズの香りがつんと鼻に抜けるあの感じ。

舌触りはビロードのようで、ベジョータの「脂がとろける艶やかな旨味」ではなくて、「赤身肉をしっかり噛みしめる」ような旨味だ。

そして、シャリシャリというかすかな結晶感もある。数秒ではかなく消えてしまうこの結晶感を求めて、何度でも口に運びたくなる。そしてじっくり噛んでいると、だんだん幸せな気分になってくる。

なんだろう、ベジョータがスペインの黒髪の情熱的な闘牛的美女とすると、クラテッロはパルマの森に住む金髪の物静かな牧歌的美女、という感じか。
生ハム界の陽と陰を知った2014年の年末(おおげさな)。

さて、わざわざ電車に乗ってLa Grande Epicerie de Parisに行ったのは、クリスマスに肉売場でちらっと見た「ホロホロ鳥の栗詰め」なる品を食べてみたいと思ったゆえ。

ところが着いてみると、そんなものはあとかたも無かった。クリスマス限定メニューだったのか、しまった。仕方ないので仔牛のオルロフをと思ったら、1人分以下の塊しか残っていない… なので、豚肉のオルロフを購入。

つけ合わせは根セロリのピュレ(Picardの冷凍)に、クリスマスの残りの白トリュフのクリームを混ぜたもの。

豚肉だと「お祭り感」がイマイチだなと思っていたのだが、食べてびっくり!このオルロフ、めちゃくちゃおいしい。

豚肉にチーズとハムをはさんであるだけの単純な料理なのだが、さすがボンマルシェ、すごくいい豚肉のようだ。

焼いている間に出る肉汁と溶けたチーズの油分が混ざっていいソースになるので、ソースを別に作らなくていいし。これはまた買うと思う。

デザートは「Hugo & Victorのビュッシュのあれを買うんだ」と心に決めていたのに、行ったら「ビュッシュは今朝すごい勢いで売り切れました」と言われた。

考えが甘かった、予約するべきであった… 個別のケーキには特に惹かれるものがなく、何も買わずに退場する。

近くのLa pâtisserie de rêvesまで行けば何かあるかも、と思ったけれど、大人数用ビュッシュ以外は何も残っていない。

同じ通りの向かい側にあるAngelinaの支店で、やっと入手したのがCheesecake Mangue-Passionというケーキ。クリームチーズムース、マンゴー&パッションフルーツのコンフィ、アーモンド&ココナツに塩もちょっと効いた、カリッとした土台。これ、なかなかおいしかった。

なんだかケーキが小さい気がしたので、モンブランのエクレアも1個買う。

皮が薄くて、中には軽い栗クリームがギッシリ。上にはあふれんばかりの濃い栗ペースト。

今回の食器は全て、MontereauのOctogonalシリーズ。画家のピカソが使っていたことでも有名だ。