パリ11区の後に向かった、19区のブロカント。
Raymond Loewyデザインのコンコルド機内食用スプーンの他は、紙ものばかり。
Voyage au Japon(日本旅行)というタイトルの紙ばさみ。Paul.Bという男性の記名あり。
パリのギメ東洋美術館の創立者、Emile Guimetが大の日本文化ファンだったのは有名な話。そのギメ氏が企画した「日本旅行のしおり」のようだ。残念ながら表紙しか見つからず、旅行の具体的な内容について、知る術がない。
表紙絵の左下には芸者らしき女性。彼女の頭上近くの提灯には、PとBをグラフィカルにデザインしたロゴマークのようなものが鉛筆で上書きされていて、持ち主のPaul.B氏が、いかにこの旅行を楽しみにしていたかがうかがえる。
右奥に富士山、中央の舞台には天狗と獅子舞と曲芸師、舞台右裾にうっすらと見えるチョンマゲ姿の観客。筆遣いを表現しようとトメ・ハネ・ハライが多用された、タイトルの書体。全身からギメ氏の日本への愛情が伝わるデザインである。
裏表紙には、ギメ氏についての簡単な紹介。
こちらは、1897年発行のGrande Carte Cycliste(自転車競技者用大地図)、西部フランス版。携帯しやすいよう小さくたたまれていて、厚紙製のケース入り。
自転車専用道路や急勾配なども記載。ツール・ド・フランス創設が1903年、自転車競技熱がフランス中で盛り上がりを見せていた、19世紀終盤の地図だ。
もう1点、別の古い書類。
Arcis?という領土に関する書類。
発行は1689年!フランス革命の100年前か。
こちらは1649年発行、さらに古かった。
365年前の紙。日本では慶安御触書が発令された頃。
文字に勢いがある。
紙質がパリパリで面白い… と思ったら、これ、羊皮紙だ(羊皮紙についてはこちらのサイトが詳しい)!動物の毛穴が残っているのが見える。