ポンポン・パール・ベア

2月半ばの、友人と北マレで会うことになっていた日。まだ約束まで半時間ほどあるので、「そういえばしばらくCのお店に顔を出していないな」と思い立って寄り道をした。

しばらくウィンドーのブローチを眺めてからさて入店… と手を掛けたドアには「すぐに戻ります」の張り紙が。あー、タイミング悪かったかとあきらめかけた瞬間、店内からひょいとCが現れてドアを開けてくれた。なんでも、誰かが散歩中の犬のフンを店の真ん前に放置したので、それを掃除して片付けていたのだと。そりゃ災難だったね、お店を持つって大変だね。

いつ来ても彼女の店はとても清潔で明るくて気持ちが良い。ひととおり店内を見せてもらい、ガラス製の大きなショーケースの中に佇む、愛らしい造形に気づく。

1980s Broche, ours

身長4cmほどのクマのブローチ。ぽっこり膨らんだおなかが、バロックパールである。

目がグリーンなのもいい。

最初はショーウィンドーの樹脂製ブローチ(Lea Steinのヴィンテージ)が気になっていたのに、それをすっかり忘れてしまうくらい愛くるしい。

1970年代から1980年代にかけて流行した、Van Cleef & Arpelsの動物モチーフの宝飾品デザインの真似をしたもの(当時いっぱいあったらしい)だろうというのがCの見立て。なるほど。