パリ11区(rue Faidherbe)のブロカント | 2024/06

約半年ごとに通っている、11区のブロカント。

友人らが誰も出店すると言わないので、さぞ寂しめのブロカントなのだろうと覚悟して出かけた。

駅前広場にはゴテゴテしたオブジェを売るスタンドばかりなので素通りし、Faidherbe通りの方へ行こうとしたら、何度か買い物したことのあるAのヴィンテージ服スタンドがある。そういえば彼女はほぼ皆勤で出店している、他のみんなが敬遠する日でも。とにかく他に服の業者はいないのだし、見ていこう。

スタンドに入ると、なんとヴィンテージ服ディーラーのJがAと談笑しているではないか。「あれ、出ないって言ってたよね?」と訊くと、「今日は客として遊びに来てるんだ〜」と返ってきた。仕事じゃないからウキウキうれしそうである。

さて、大量の服が詰まったラックを端から順に見ていくと、素敵なワンピースを発見した。Christian Aujardだ!

ピンストライプのリネン地で、明るい茶色。こういう茶色、最近はあんまり着ないなあ… と迷いつつ、襟のデザインが80年代らしくかっこいいし、買うことにした。

洗濯したらレンガ色の粉末がたくさん発生した。この現象にはすっかり慣れている、ポリウレタンの経年劣化である加水分解だ。要は肩パッドの中身のスポンジ部分が崩壊したってこと。レアなスニーカーのコレクターが泣いている、あの現象。

完全に乾かしてから、ペラペラの布だけになった肩パッドを外す。まだ粉が気になるので掃除機でも吸う。

品質表示は洗濯したら消えるインクだと経験上知っていたので、先に撮影しておいた。

翌週末がちょうどよく肌寒かったので、さっそく着て出かけた。


Faidherbe通りを北上して、家具を売るスタンドの奥にぽつんと佇んでいたオブジェ。見覚えがある、というか、数年前に見て買わなかったことを悔やんでネットでも探しまくった、あの品物ではないか!

ジャーン!!!ラテックス手袋の型、1950年代の品物。

あまりに興奮して、全く値切らずに言い値で購入(※相場は知っていた)。

もっと古い時代のものは白い陶器製で全方向に立体的なのだが、私はこのぺったりした工業製品的な表情が好きなのだ。意外に軽いし、平たいので飾る場所にも困らない。

中指と人差し指の間に白い液体の乾燥飛沫(おそらく手袋の原料のラテックス)がついていたけれど、取れた。

デスク横に飾って、ケーブル類を持つ係をしてもらっている。