この場所には初めて来た。メトロ7番線のPont Marie駅前、1番線のSaint-Paul駅からも歩いて数分だった。
紙ものディーラーDしか出店していないだろうと思っていたら、軍ものディーラーのTもいた。けっこう寒い日で、立ち話が5分を越すと足が凍る。Tのスタンドで働く女性Iと、猫の話で盛り上がった。
Dのところで見つけたのは、Le Chat botté(シャルル・ペロー作。邦題「長靴をはいた猫」)の物語が描かれた1ページ。いろんな寓話やおとぎ話の中から吟味して選んだ。19世紀末のものらしい。
あらためて読んでみたが、いい話だな!私は粉挽き小屋もロバも全然いらんから、この賢い猫とダラダラ暮らしたい。
ブーツがよくお似合いで!
帽子をかぶったりベルトを締めたり派手なコスチュームを着たりしていない点が気に入った。長靴とズダ袋しか身につけない、これが本来の彼の姿のはず。しかも黒猫さんだったのか。
Imagerie Quantinという、パリ6区の7 rue Saint-Benoitにあった版元からの出版。今この住所はHôtel Bel Amiになっている。
猫が尊敬されるシーン。グッとくる。泣きそう。
Dのところではこのほかに地図も買った。ちょっと変わった地図。
1930年ごろの、パリのレストランマップ。おそらく、やや高級なおすすめレストランのリストアップである。
右岸の大きな駅(北駅、東駅、サン=ラザール駅)の近くに集中しているのがよくわかる。
左岸には12軒のみ!まあ当時は人口が少ないし、電車で旅行する人も多くないから、これくらいの数で大丈夫だったんだろう。軽食を出す小さなカフェはそこらじゅうにあったのだし。