4年ご無沙汰だったとは自分でもびっくり、の17区のブロカント。
まあまあ大規模なブロカントだった。Ternes駅から見始めて、終わりはPorte-MaillotのHôtel Hyatt Regency Paris Étoile(昔のコンコルド・ラ・ファイエット)ホテルが見えるような位置。そんなにたくさん歩くつもりの格好じゃなかったのだが。
紙ものディーラーDのスタンドで、興味深い地図に遭遇。
この「:」が頻出する文字組み、初めて見たぞ!?
なんか地名が偉く短い気がする…と思いつつしばらく見つめていたら、「:」で終わる文字列の後に「:」から始まる文字列をくっ付ければいいのでは、と気づく。BEL:の後に:GAEで、BELGAE、おそらく現在のベルギー王国のあたりだ。A:とQVI:とTA:と:NIで、AQUITANI、今で言うアキテーヌ地方だ。
17世紀に刷られた、ローマ帝国時代の地図だと聞いて納得。ラテン語か!
Dが年代を17世紀だと特定していたので不思議だったのだが、
額装を外すと、台紙の裏側に販売店の印があった(このお店、まだ存続しているっぽい)。
gravure ancienne, époque XVII eの手書き文字。ここから17世紀の版画という情報を得たわけだ。
ラテン語は、フランス語の現代の会話でもかなりよく使う数語(A prioriとかSine qua nonとかEx æquoとかEt cæteraとかIncognitoとかIntra murosとかNota BeneとかRectoとかVersoとかVice versa)を除いてはさっぱりわからないのだが、地図上での表記方法がこんなに面白いとは知らなかった。
地図を見るよりも先に気になっていたあるものを買いに、道順の最初の方へ戻る。意外に大きなブロカントだったので戻るのもひと苦労である。
満月みたいだなと思ったブローチ。大きすぎず小さすぎずのちょうど良さ。
ちょっと地味かなというニットを着るときに、襟元にこういう光るブローチをつけるとしっくりおさまることに気づいて、探していたのだ。良いのが見つかった。