パリ18区(rue Caulaincourt)のブロカント | 2023/04

なんと1年も来ていなかったとはびっくり、の18区のブロカント。

メトロ12番線のLamarck-Caulaincourt駅が最寄り。改札口を出て右手のゆるい坂道を上り、そのまま道なりにCaulaincourt通りを下っていく側から見始めた。

予想していたよりもずいぶん先が長い、なかなか端っこまでたどり着かない。ちゃっちゃと遠目にチェックしながら歩いていたら、軍ものディーラーGがひょっこり現れた。他のスタンドの様子を見に出ていたらしい。

スタンドはいつもの場所に構えていると言うので、「じゃあ後でそっちに行くね〜」と別れる。

しばらく歩いていると今度は、GのスタンドでバイトをしているEがピザの箱を抱えてやって来た。昼食を買いに出ていたのだな。と言うことはGのスタンドでいま店番をしているのは、Hだけってことだ。大丈夫なのか。

ブロカントの端が見えたので道を渡り、こんどは坂道を上っていく側を進む。今のところ、あんまり面白いスタンドに出会っていない。以前はずいぶん時間をかけて見ていたものだが、これではさっさと回り終えてしまうよ。

坂道の上のほう、少し開けたClaude Nougaro広場に着くと、真っ赤な特大ロープが見えた。友人Lのスタンドだ。

あいさつも早々に、新しい商品があるのに目ざとく反応した私は、さっそく端から真剣にチェック。色の洪水そのもののブラウスを見つけ、それを掴んだまま(買う気ゲージ98%)他のラックも見ていく。

「それいいでしょ!仕入れた時に、これはあなたか、Dが買うだろうと思った!」とLが言う。Dは彼女の昔の恋人で、「超絶センスのいい妖精系マハラジャ」と私は心の中で呼んでいる。そりゃあ彼にも似合うだろう、でも私が先に見つけたよ!(買う気ゲージ99%)

試着したらサイズはOK。状態は良好でクリーニングされた様子もないので、買ったはいいもののほとんど着なかったのだろうか、前の持ち主は。派手すぎて。

ジャーン!最初に見た時は、抽象的なスイカの模様かと思った。三角形と四角形と謎の線を散らしがちな、典型的な1980年代のあしらい。

小さめの襟、たっぷりした袖、ストレートの裾、比翼ボタン。私の好きな要素がてんこ盛りだ。

シルクなんだよね、しかも。

シルクのカラフルなプリントものは、洗うときにかなり緊張する。いやそもそも自宅で洗うなって品質表示タグに書いてあるんだが、私は自宅で洗いたいのだ。

洗剤を溶かしたぬるま湯に入れて振り洗いしていると、1分以内に徐々に色が落ちてくる。そこで素早くすすいで、すぐに濃い掃除用の酢(14度とかの濃さ)を少し水で割った液に浸ける。今回のブラウスだと3分くらいかな。その後ていねいに水ですすぐ、もう色落ちが見られないのを目視しつつ。最後に洗濯ネットに入れて洗濯機で脱水。1分くらいかな。素早く取り出して広げておくと、色移りなく乾く。

単色なら洗うのも洗濯機で全工程やっちゃうけど、2色以上づかいでかつ白地が残っているモチーフの場合は、半端に濡れたままの時間が長いと濃色が淡色側に色移りする(経験済)。なので私はこの方法。

お酢の匂いがする(乾くと分からなくなる)のと、シェルボタンは傷んじゃうのが難点ではある。

ところで、Lはヴィンテージ衣類以外に古い玩具や意味深なオブジェを買うのも好きで、スタンドのテントの梁にはいつも、下着や水着やスカーフに混じって人形やぬいぐるみが見つかる。

インスタの「今週のお人形」シリーズ用にどれを撮ろうかと見ていると、セルロイドっぽい質感の、素晴らしいおもちゃがあるではないか。

赤ちゃん用のガラガラ。デザインとか色づかいの様子から、1940-50年代くらいかなと見当。

この化け猫っぽい顔(かわいい)がいい。今でもちゃんと回転するし、ガラガラ鳴る(うるさめ)。

Lがプレゼントしてくれた。大事にするよ!


つぎに、すぐ隣のAの衣類スタンドへ。たくさんあるラックの中から、パッと目についた色のスカートを選んだ。

ライラック色のスカート。昔あんなに探していた時 ↓ は見つからなかったのに、忘れた頃にヒョイと現れた。

この手の素材は乾きが爆速でよろしい。


つぎに、いつもメールでお知らせをくれるJのスタンドへ。

混んでいるタイミングで入ってしまってなかなかちゃんと見られなかったのだけれど、とても好みのトップを発掘。

コウモリ袖ではないけれど、似たようなコンセプトのシルエット。この作り方、おもしろい。

タグに見覚えがあるな… と自分のブログ内で検索したら(このために私はブログを書いているのだ)、あった!

イタリア製。

さっきのライラック色のスカートと合わせてもバッチリだね。