版画作品に打ち込むMさんが参加するというので、パリ6区のSaint-Sulpice広場で開催された版画フェアJournées de l’Estampe contemporaine 2022に出かけた。
この教会前広場の写真フェアだとか古書フェア、ブロカント、地域バザーには来たことがあるのだけれど、版画フェアは初めてだ。
教会に向かって左手側から時計の針の逆回りに見始めて、しばらくして受付… というか正式な入口ゲートを発見。そこで会場一覧図の中にMさんの名前を見つけ、ようやく展示スタンドにたどり着いた。
作品を鑑賞後、ひと足さきに見終えて他を回っていたフォトグラファーMさん(私の周りはMさんだらけ)に合流して、教会横の名物カフェで休憩した。
さて私は、このフェアで少し買い物をしている。
まずはこの2点。
試し刷りをカードサイズにカットしてあるのだが、もうめちゃくちゃいい。版ズレの躍動感(撮影はブレてないんだよ念のため)とか、カットしたことによって起こる偶然の構図とか、モロに私好み。
そしてこの4点、これも試し刷りのカット。
見た途端にドビュッシーのLa merが脳内再生され、もう海辺の夕暮れとか朝焼けにしか見えない。まったく海に関係のないモチーフの試し刷りなのに…
4枚組で額装するか、個別額装で並べて飾るか、迷うね。
そのあと、フォトグラファーMさんと私で再訪しようと意見が一致した、日本人女性アーティストのEma Kawanagoさんのスタンドへ。
どれもこれも素敵なので迷ったけれど、アクアチント作品2点を選んで購入した。
グリーンの銅版画ってめずらしい。たしか、作家本人が調合していると言っていた。透明感も深みも備えた、美しい色だ。
主題が鉱物で、高校時に地学を選択したくらい鉱物とか星が好きな私には最高。全ての作品に共通してエディションが21点なのも、なんか魔術っぽくていい。
全体的に博物館的というか、学者みたいな感じのする作風だなと思ったのだけれど、生態システム学の修士課程修了とのことで、その学者っぽさに納得がいったのだった。