4月上旬に、ヴィンテージ服ディーラー7人が集う豪華なポップアップストアがあった。
駅から20秒という好立地の開催場所に着いたら、ちょうどSが入り口横のガラス窓にクロマ貼り作業をしていた。なるほど、7人の中で最も器用でこういう仕事を失敗しなさそうな人材は、Sなのだな…
入って折り畳み傘の置き場所を確保して、いざ右側から順に見ていく。
ディーラーAのラックで見つけたシャツが素敵で、すぐにピックアップ。そこから順番に何着か試着したいものを選んでいるところでちょうど、日本人のJさんと会う。「開始時刻あたりに行くから現地できっと会いますね〜」とメッセージを交換していたのだ。彼女は店の左側から順に見ていたので、店の奥にたどり着くまでお互いの存在に気づかなかった(Jさんとは前回のポップアップで初めて出会った)。
試着室は2つとも埋まっていて、主催者たちと喋りながらしばらく待つ。私は結局ピックアップした5着のうち、2着に絞った。
最初に見つけたこれはマスト。配色といい、ミニマムなカモメのシルエットといい、ガーゼの手触りといい、最高としか言えない。しかもほぼ新品(Aがデッドストックと言っていたかも)。
Jの店で2年前に初めて見つけて以来、好きになったGaston Jaunet(ガストン・ジョネ)。
Gaston Jaunetは模様づかい色づかいが秀逸で、兄弟がNewmanのデザイナーだというのにもつくづく納得がいく。
もう1着はJの品物から。
1970年代後期のSaint Laurent rive gaucheのコットン地スカート。
「あれ、これってネットショップに出した途端に売れてたんじゃなかったっけ?」と訊くと、「そうなんだけど、戻ってきたやつ(サイズの数字を見ないで買うお客さんがまあまあの数いるらしい)」と言う。前もそういうシチュエーションで買ったスカートがあったな…
膝下数センチという長さも私好みだし、うちに来たかったスカートだね。
ところで、38とか40とかのサイズ表示だけを見てヴィンテージ服を買うのはご法度である。
1980年代以前の人って基本的に背が低くて細いのだ。当時のフランスサイズ40とか42表示で、現在の36とか38に当たることが多いのだけれど、サイズ直しされている可能性もあるので、平置きの測定数値を見るのが確実(さらに自分のサイズをあらかじめ測って把握しておくと便利)。
そして、同じブランドでも物によって年代によって、サイズ取りがずいぶん違ったりする。
このたび買ったスカートは42表記だけれど、今で言うとタイトな38って感じかな。ギリギリで履いているので1ミリもウエストを増やせない。
このあとJさんと雨の中を移動して、フォーを食べて2時間くらい(!)ひとしきり喋った。