パリ18区(rue Caulaincourt)のブロカント | 2022/03

3月後半の18区のブロカント。
駅を出て適当に歩いて、最初に出会ったのは紙ものディーラーDだった。

漆黒を背景に、ブロンドの女性が美しい脚を組む絵が目を惹く。
近づいてみれば、Villemotのサインだ。オランジーナの広告ポスターで有名な、グラフィックデザイナーのVillemotの絵。そういえばVillemotのイラストのついたグラスを買ったことがある。

Villemot作画のBallyポスター

1978年のシルクスクリーン刷りである。

Dが「15年くらいうちのトイレの壁に飾ってたんだけど、もう売る」と言う。

「言っとくけど、普通はオークションで◯◯◯ユーロの値がつくやつだよ!」とも。
友人だし信用しているので特にその場で相場を調べたりはしなかったが、帰宅して調査したら本当だった(私にはだいぶ優しい友人価格にしてくれた)。こうして、Dのトイレの飾りをめでたく受け継ぐことに。


Dに別れを告げ、坂道を下る。すると、いつもと全くちがう場所にヴィンテージ服ディーラーのLがスタンドを構えていて驚いた。てっきり広場に陣取っていると思ったのに。

彼女のスタンドでは洋服に混じっていろいろな面白いものを見られるので、天井から足元までじっくり見回すのが習慣になった。売り物じゃないかもしれないと思ったものも、訊いてみると意外に売ってくれたりするし。

無造作に椅子の背にかけられた布の刺繍がなんとなく気になり広げてみると、すごくいい!

1960年代?ペルーの刺繍布

Lとはメキシコの布かなと話していたのだが、帰宅して夫に見せたら「背の高い帽子を被った人がいるから、ペルーじゃない?」と言う。なるほどそうかも。

裏側もいいのだ↓

木琴を演奏する3人の男性。

この水色の人が神様だと思うんだけど、雨の神様のTlalocというので合っているのかな…一番似ているように思う。

この太ももの素晴らしさ!刺繍した人が、めちゃくちゃこだわった曲線なのが感じられる。

神様の裏側。

というわけで、ステキな平面作品を2つも見つけた日だった。