パリ11区(Bd. Richard-Lenoir)のブロカント | 2022/01

天気がイマイチな冬とは言え、ここまでひどい悪天候にしなくてもいいのに、と嘆きたくもなるような雨の土曜日だった。

11区のブロカントに来るのは、これまた1年ぶり。年に2度開催なのに、私は1度しか来ていないようだ。
スタンド数は20くらいで客は数名という、目にも淋しい光景である。

紙ものディーラーDに会ったので、新年の挨拶をする。

雨はずーーーーっと降り続けている。
「この天気ってわかってたし、水濡れ事故とかイヤだから貴重な品物は持って来なかったよ」とDは言うものの、いちおう端から見る。

箱に収められた一連のイラストに惹かれて、2枚だけ選んだ。

1852年のもので、初等教育で使われた教材らしい。
Dは学校の教材と言っていたけれど、Le Journal des mères et des enfants à Parisという雑誌社の発行とあるので、ブルジョワ家庭の子女教育に、家庭教師または母親が使った教材というのが正しいようだ。

私が買ったのは「紙」と「陶土」。他にも綿花とか家畜とか色々あったのだけれど、とりあえず特に好きな分野でもあるこの2点に絞った。

それぞれ、どうやって作られるのか(原材料はどうやって調達するのか、どのような加工がされるのか)、最終製品としてどんな用途があるのか、それにまつわるどんな職業があるか、などが描かれている。

紙のリサイクルって19世紀当時の人の方がよっぽど意識してたんだね、と感心(当時の方が紙は貴重だったし)。古新聞を仕分ける男性の様子や、ボロ切れを集めて製紙工場に持ち込む貧しい女性の姿(と、この教材で学んでいるであろう富裕層らしき男子がそれを側で見ているのがなかなかリアルで皮肉)も描かれている。


陶工アトリエの様子は、隅々まで目に楽しい。それにしても働きにくそうな服を着ているものだ。