パリ11区(Bd. Beaumarchais)のブロカント | 2020/03

約4ヶ月ぶりの11区のブロカント。

私の好きな品ぞろえのディーラーが久しぶりに出店するというので、はりきって早めに行ってきた(と言っても午後)。

バスティーユ広場側から見始めてまず見つけたのは、たまに買い物をしている女性のスタンド。先週の土曜日に良いワンピースを見つけたものの迷って買わず、翌日の日曜日に買おうと決心して再訪したら、暴風雨で早々に店仕舞いをしていたので会えなかった。

1970年代ワンピース

まだ売れていなかった、トリコロールのチェックのワンピース。ウエストをベルトで絞って着てもいいし、ストンとしたシルエットのままで短めのレザージャケットなんかと合わせてもいい。ざっくりした白いニットを上から着るのも良さそう。

けっこう軽いので、ウールと合成繊維(乾きが早いしポリエステル?)の混紡だと思う。1970年代あたりの手作り。

1980年代シルク製ジャケット

もう1点は、シルクのジャケット。カラーブロックのデザインがいかにも1980年代という風情だ。

さっそく手洗いしたら青い染料が落ちてきて、乾かす際に白地に移ってしまった。これは染め直しかな…と思ったけれど、洗濯タグをよく見たら洗濯機で洗える、とある。こわごわ普通洗剤で洗ったらきれいになった(一緒に入れた色移り防止シート2枚は真っ青に染まっていた)、よかった。


しばらく歩くと間もなく、お目当てのディーラーのスタンドに着いた。
見覚えのある品物もあるけれど、新着品が山盛りだ。端から順番にチェックしてピックアップし、持ちきれない分は途中から夫に持ってもらった。

1950年代 海のモチーフのスカート

海にまつわるモチーフの、1950年代の手作りスカート。
この生地を選びのセンスといい、適度なボリュームでふくらはぎ丈のデザインを選ぶセンスといい、ほんとうに素晴らしい。目立った染みはほぼ抜けた。

1970年代ドイツ製シャツ

1970年代のシャツ。ドイツ語表記なので、おそらく旧西ドイツ製?

このモチーフを見てしまったら買わないわけにはいかず。女性の立ち姿の連続模様!

1980年代ワンピース

Gérard Pasquier(なつかしい名前だ…と思ったら、まだ存続していた)の1980年代のワンピース。

黒地に赤青黄色の三角形が踊る、楽しげな模様の生地。

1930年代 アール・デコのワンピース

アール・デコなデザインの紺色のシルクの手作りワンピースは、1930年代のもの。

背中側のギャザーのせいで時代を断言できない(1930年代当時なのか、数十年後の1980年代あたりにアール・デコを意識して作られたのかが不明)と言われたけれど、家でひっくり返してよく見ると、縫い代のほつれ止め部分が全て、ていねいに手でかがってある。1980年代に作るならロックミシンを使うのではないかと思うし、かがってある糸がかなり太い古いタイプなので、1930年代当時のものだと私は思う。しかも、背中のギャザー部分の極細ゴムも全てが手縫いなのだ。

1980年代シルク製トップ

で、こちらはシルク製の1980年代のトップ。1980年代初め頃にはアール・デコ風のトップ(ボレロとか)が一部で流行したのだけれど、その代表的なデザインだ。

花のモチーフが素敵。

1980年代Franck et Filsワンピース

画家ミロの作品かと思うような楽しげなモチーフのワンピース。

パリ16区にあったデパートFranck & Fils(2016年7月閉店。今はボンマルシェデパートの食品館La Grande Epicerie de Parisになっている)のオリジナルブランドで、これも1980年代のもの。

カラフルな柄物を上品に仕立てるところに、16区のデパートの矜持というか、センスを感じる。

1980年代Franck et Filsワンピース

背中側もかわいい。1枚で着ても、下にタートルネックの薄手のニットなんかを重ねてもいいな。

1950年代シルク製ワンピース

1950年代の、グラフィカルなモチーフのシルクの手作りワンピース。共布でベルトがついている。そろいのジャケットもあったのだけれど、あまり好みの形ではなかったので買わなかった。

裏側を見ると、縫い目が大きめで手作り感が溢れている。

お出かけ着は仕立て屋に頼むか自分で作るしかなかった時代。シルクでこのシックな模様の生地を選んだところから想像するに、誰かの結婚式に出席するためとか、そういう機会のために作ったのかもしれない。


ほぼ予算を使い切り大荷物を抱えて、友人Lのスタンドへ到着。

おとといの木曜日にひどい突風と雨で何度もスタンドが崩壊していたので、商品を洗うのが大変で睡眠不足だったのだと思う。あんな眠たそうな顔は初めて見た。

「今日は忘れずに持ってきたよ!」と、ガウンの紐を出してくれた。

1950年代のガウンの紐

そう、これを受け取りたいのもあって、先週から通っていたのだ。10月にLから買った1950年代のガウンの紐!

そして、「あなたなら修理できるかも」と19世紀後半の黒いレースのブラウスとスカーフのセットを託され、譲り受けた。スカーフはフリンジを縫うだけなので私にもできるけれど、かなりあちこちやぶれまくったこのブラウスは難しそうだ。

19世紀の黒いレースのブラウス

とりあえず洗濯してみたけれど(色留めされていなかったので水がただちに赤黒くなった)、もしもレース編みの得意な人や、コレクターで欲しい人があれば、ご連絡ください。私のような素人が下手に縫わない方がいい気がしている。


軍ものディーラーTのスタンドへ。
目があった途端に「今朝は君のことをちゃんと思い出したよ!」と。数週間前から持ってくる持ってくると言っていたパンツを出してくれた。この日は友人たちみんなが私のことを考えてくれたようだ。

フランス軍チノM52

フランス陸軍のチノクロス・パンツM52。ずっと欲しかった!

フランス軍チノM52

サイズは21(丈が2番目に短くて、ウエストは最小サイズ)で、1964年製造。気になっていた赤いインクのようなシミ数ヶ所は、ほぼ抜けた。

この日の買い物で自分のものは、このチノパンツだけだ。