パリに戻って3日目には、半年に1度の3区の大ブロカントへ。
太陽は昇っているのに存在感が薄すぎて、どんより暗い。いかにもパリの冬って感じだ。
いつも道順はなんとなく決めていて、まずは軍ものディーラーのTにあいさつ。
Tのところで働くのを何度か見かけた青年が、スタンドの一部を間借りして、アメリカで買いつけたばかりという品々を販売していた。いよいよ自分のお店を立ち上げて、独立するらしい。Tとはしゃべりまくっただけで何も買わず。
以前にも買ったことのあるValet風ハンガー什器があるかも、と淡い期待を抱いて同じスタンドへ。
あった!
2個あったのをどちらにしようか迷っていたら、離れたところにひょっこり3個目を見つけて、それが好みドンピシャだったので購入(いま気づいたけれど、軸が少し回ったまま撮っちゃったようだ、失敗)。
1930年代のものだろうと思ったら、1940年代の線が濃厚だという。いずれにせよ、戦前の品物である。錆びたネジの頭の両面と、底面の金属部分にGirard Parisの刻印がある。
大物を抱えて、長らく会っていないLのスタンドに寄る。
以前から気になっていた、木彫の仔犬を買った。
かなり小さい。高さ35mmほど。
1920年より前の時代だろう、と。
もしかしたら、第一次世界大戦中の兵士が作った、塹壕芸術の一種かもしれない。
1年前にも訪れたワークウェア専門のスタンドでは、珍しい色のジャケットを2枚買った。
初めて見た鮮やかなグリーンは、庭師用のワークジャケット。
グレーの方はおそらく、倉庫係とかそういう感じらしい。ちなみに、作業でひどく汚れる可能性のある機械工などは、必ず濃い色のジャケットなのだ。
1980年代あたりのものかな。
コットン製の帽子は、「フランダースの犬」でネロがかぶっているのと同じだ。
1930年代のリネン製のエプロンを、デッドストックで2枚。
コットンのものは今でもよく見かけるけれど、藍色のリネンのは見たことがない。
別のスタンドで思いがけず見つけた、1950年代のコーデュロイ地のパンツ。
紙タグつきのデッドストック。めちゃくちゃいい生地で、色も上品だ。
(自分のサイズではないので、これは来年のポップアップストア用)
こんな色の長めのタイトスカートがあったら欲しい。