パリ13区のメトロ高架下で開催のブロカント。
ここに来たのは、約3年半ぶり。
とても良い状態の皿を見つけた。
思ったより高かったので1度はあきらめて立ち去り、数分後には戻って来て購入。
パリの北にある街Beauvais(格安航空便用の空港で有名)の、Morelという生地商店の広告入りのデザート皿である。
裏には、パリの陶器メーカーDreyfusの刻印。モチーフはボーヴェの街にあった高校の校舎なので、おそらく「街の名所シリーズ」の1枚?
1931年型のフランス陸軍(Infantrie=歩兵隊)将校の礼服用の上着(パレードではなくて、パーティー用らしい)。肩章とベルトが欠けている。
襟と袖口に使われている赤色は、1829年にシャルル10世(1824-30年のフランス王)が採用した。この上着と対のパンツも同色。
スタイリッシュでエレガントなカラーリングではあるが、遠くの敵兵からも容易に見つけらるという欠点に第一次世界大戦で気づいて、以後、変更したそうな。
美しい色の高級素材は、王室の権力財力の誇示には最適なれど、遠距離攻撃ができるように兵器が進化すると、途端にその華美さが仇になったという。たかが赤パン、されど赤パン。
左が1915年型の歩兵服、右が1931年型の歩兵隊将校礼服(今回買ったものと同じデザインで、袖口の階級ラインの本数がちがうだけ)。
歩兵隊の赤パンは第一次大戦後に廃止されたものの、実戦に使われない礼服には、伝統的なカラーリングが残った、ということか。
この赤はRouge garance(ルージュ・ガランス)と呼ばれ、南仏で栽培される植物Rubia tinctorum(アカネ)で染め上げられる、気品ある色。
日本の茜色よりも鮮やか(どちらかというと猩々緋色のよう)で、透明感のある純粋な色なのに、攻撃的な感じがしない。画像検索していて気づいたけれど、エルメスのバッグの赤としても有名なのだな。フランスらしい赤色。
上下1個ずつ欠けているボタンは、ネットで探して購入済み。
恐ろしく肌触りのいい布地で、仕立ての技術も素晴らしい。
以前にも買った事のあるフランス海軍の1950年代の制服、未着用のデッドストック。
肌に貼りつかない最高級の麻(ラミー)製で炎天下でもサラサラ快適、なのに冷たい強風にも寒さを感じない、という素晴らしい生地。
洗えば洗うほどに柔らかく馴染むので、ボロボロになっていつか寝間着になるまで、手放せなくなるタイプの服だ。
さすがはイタリア軍の「敗戦の負債」、最高級の布地である(負債を支払う現金の不足分を高級布地で納めた、その生地でできているという逸話を以前、ディーラーに聞いた)。