パリ18区(Pl. des Abbesses)のブロカント | 2023/04

なんとほぼ1年ぶり??だったという、モンマルトルのAbbesses広場でのブロカント。

ずーっと会っていなかったヴィンテージ服ディーラーのLが、ここに出店すると言っていたので楽しみにしていた。なので、駅を出てすぐに彼女のスタンドを探す。

いつもよりもだいぶ規模が小さい様子… というのは、同じ日に良いロケーションのブロカントが4つも重なっていたから。

ここ18区のAbbesses広場をはじめ、9区のTrudaine大通り、10区のChâteau d’eau通り、11区のRépublique大通りのブロカントはどれも面白そうで、久しぶりに全部ハシゴしようかと思ったくらいだ(しなかったけど)。

20スタンドくらいしか出ていないので、Lにはすぐに会えた。いつものとおり、教会の門扉前に。

再会を喜び、Pierre Cardinのお宝ピースなどを見せてもらいつつ喋っていたら、魅力的なトーションがあることに気づく。

(また緑の買ったんかい!)

各国の名物お酒(アメリカだけコーラだけど)のイラスト。ビールとワインが除外されているのは、作っている国が多すぎてセレクトに困ったんだろうと思う。1960年代のものである。

いわゆる「食器用ふきん」なのだが、大きな絵柄がついたこのタイプは、ティータオルと呼んだ方がしっくりくる気がする。

1960年代から1970年代ごろがティータオルの全盛期だったようで、企業の広告が入ったものや年間カレンダーのデザインもたまに見かける。日本で言うところの、昭和時代の地方の信用金庫の文字入りタオルや手ぬぐいって感じの位置づけだろう。

コサックダンサーの足先が特に好きだ。イラストレーターの名前がわからないのが残念。

2枚目も各国のお酒モチーフ。こんどはビールとかワイン(なぜかイタリアのキャンティだけ)も入っている。キャンティ贔屓のイタリア人がオーナーが経営する酒屋のノベルティー注文だったのか、とか勘繰ってしまうね。

オランダ人のパンツと木靴がかわいい。お顔も福々として平和。

はい、Sakeに対する誤解が激しかった時代の典型的なイメージですね!

2000年代の初めまでフランス人にとって「Saké」といえば、中華レストランで食後にミニ盃で供される強い安い蒸留酒のことだった。都市部で純米大吟醸酒が人気になったのって、結構最近の話なんだよね。なので中国人の絵。皇帝みたいな衣装だな!(頭上の黒いのはプリント時のインクの飛沫事故と思われる)

今でも日本酒のことを厳密に指す場合は、Saké japonaisと言う習慣がある。でないと無意識に古いイメージで受け取られる危険があるから。

Création Vonyとある。Vonyは、この手のティータオルを製造していた企業。できればイラストレーターの名前も書いておいてほしかった。

こちらは磁器の人形(リヤドロとかああいうのだと思う)がモチーフのよう。飾り棚の中にしまわれている。

右下の、犬と戯れる男性がかわいいな。

他の3枚とちがって、薄手の生地。中央には当時メジャーだったであろうカクテルのレシピが、フランス語で書かれている。読みやすくて魅力的な手書き文字だ。

Lは4枚とも同じ仕入れ先で見つけたはずだけど、以前の持ち主はよっぽどお酒を好きな人だったんだろうね… 4枚中3枚がアルコール関係だもん。

というわけで、ふきん4枚を買ってから、坂道を降りて5分ほどの場所で開催していた9区のブロカントに移動した。こっちも出店者がいつもの半数以下で閑散としていて、何も買わずに退散。