State of Claude Montanaの白いニット

メンズのファッションウィークが始まって、奇抜な服装の外国人バイヤーの姿をちらほら見かける水曜日。

「ひさしぶり〜」と言いながらポップアップストア会場のドアを開けると、主催者のJとKにずいぶんと歓迎された。よくよく考えてみると、会うのは3ヶ月ぶり(KとJに最後に会ったのは2022年10月半ば)だったよ、時の経つのが光速級。

端から順にゆっくりチェックしているうちに先客が去っていったので、試着させてもらう。

ミュグレーのキャラメル色のレザーパンツは超カッコいいんだが私には長くて、カットするのはもったいないデザイン(裾にジッパーが付いている)。モンタナのレザーの青いスカートは履いている途中で「なんで私はこれピックアップしたんだろ??」と謎に思い却下。

クリスチャン・オジャールのくるぶし丈トレンチコートはカッコよかったので、2回も試着してだいぶ迷った末に買わず。ボタン欠けとか袖口の擦り切れとかは気にしないんだが、裏地がウールで滑りが悪くて、下に着るものを選びそうだったのが理由。

買ったのは、Claude Montanaの白いニット。

こういうフツーの白いウールのニット、実は持っていないのだ(コットンならOld Englandのがある)。

ウールの質はもちろん最高である。手に吸いつくようなしなやかさ、暖かさ。

適度に薄いから、アウターを選ばずに着られそうなのも良い。重ね着で袖がゴワゴワもたつく感覚が、幼少時からずっと苦手なのだ。


このあとBHVデパートまで歩いて行って、お手洗いを借りようと最上階へ。

エスカレーターで到着したまさに目の前に、高級靴下やボディースーツの売り場がある。ワゴンセールのタグに新しい値引率のシールが貼られている最中で、これはぜひあとで見なければ、と決心。

長蛇の列に着いてトイレを済ませて(ここのトイレは常にすごい行列。昔の伝統が変に残っていて、デパートのトイレはここにしかないもんだからしょうがない。列が進むのはまあまあ早いのが救い)、さっきの高級靴下売り場へ戻る。

見るからに上質なウールの黒いニットが7割引ホヤホヤ。試着させてもらって、念のために価格も口頭で確認した(値下げが激しすぎて何かのまちがいではと疑う)。

前から見るとモックネックでストレート裾の、ごく普通の長袖ニット。

後ろ身頃の裾はカシュクールのように重なり無限ループのようにねじれていて、モックネック襟下から背の中央を走る縦スリットが大胆に空いたところが、ウォルフォードらしいデザイン。

というわけで、1980年代の白いニットと、2022年製の黒いニットを買った日になった。